○○のような△△

新しいプロジェクトが始まりました。

神奈川県の新しい医療モールに開業するクリニック。

 

これまでご縁のなかった用途ですので、院長先生はじめ皆さんに1から教わりながら設計を進めております。

スタッフの方の動線や、患者さんの視線など気にするポイントは、その意味を教わると「あ、なるほど」と理解することはできますが、先行して配慮した計画へとする事が出来るようになるにはなかなか経験が必要そうです。

 

一方で、院長先生は『ホテルのロビーのような待合室にしたい」と仰います。

いかにも病院らしいそれではなく、もっと寛げて、心地が良くて、少し上品な空間で順番を待つための場所、ということ。

 

そういえば、リノベーションのプロジェクトをしていると、「CAFEのようなダイニング」「ロンハーマン(というオシャレな服屋さんらしい)のような世界観で」などといろいろなリクエストを受けることを思い出しました。

 

○○のような△△

 

ある用途にありがちな雰囲気ではなく、別の用途で現れている雰囲気を求められる傾向があるのかも知れません。

逆に言うと、ある用途「らしい」現れ方の空間というのが避けるべき対象として考えられている。

 

このこと自体は空間と用途と現れ方が固定されてしまっていることよりは、自由で創造的なことだと思います。

でも、自由で創造的な状況になったにもかかわらず、作り手たちが生産している空間は状況の可能性に対して応えられているでしょうか。

もっと言うと、いくつかのスタイルに回収されてしまっているように思います。

8dでもいくつかの空間的なアイデアの引き出しに依存しているのかも知れない、と心配になるときがあります。

この状況こそが僕たち作り手が超えなければならない対象です。

 

さてクリニック。

ホテルのロビーのようで、今まで見たことないロビーのような、待合室。

4月開業をめざして急ピッチで進んでます。

 

 

8d 岡村航太

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